フィードバックループの作り方 -- リプレイ・メモ・対話の3つの鏡
「練習の種類は分けたけど、結局その練習がうまくいったのかどうかが自分でわからない」。ブロック設計を試し始めた人が、次にぶつかるのはこの手応えの薄さじゃないだろうか。練習の時間を取っているのに、何を得たのかを振り返る仕組みがないと、せっかくのメニューが一度きりの出来事で終わってしまう。このSTEPでは、振り返りの仕組み、つまりフィードバックループの作り方に踏み込んでいきたい。
そもそもフィードバックループって何
聞き慣れない言葉かもしれないので、短く置いておく。フィードバックループ(出した行動の結果を見て、次の行動に反映させる仕組み)は、もともと制御工学や学習理論で使われる概念で、要するに「やって、見て、直す」を繰り返す仕掛けのことだ。上達の早い人は、このループの回転速度が速い、という言い方ができる。
鏡その1: リプレイ -- 自分を「観客として」眺める
ほとんどのスポーツゲームにはリプレイ機能がついている。ここで一番の壁は「自分の負け試合を見るのが単純に気まずい」というところにあると思う。わかる。自分も負けた直後のリプレイを見るのはなかなか気が乗らない。
とはいえ、リプレイは自分を観客の視点で眺められる数少ない鏡だ。プレイ中は試合の流れに飲み込まれて気付けない判断の癖も、後から見ると驚くほど目立つ場合が多い。見る時のコツは、上手くいった場面よりも、失点した直前の5秒に絞って眺めることだ。全体を通しで見ようとすると疲れるけれど、5秒だけ見ると続けやすい。
鏡その2: メモ -- 短い言葉で残す
リプレイと並行してやっておきたいのが、1試合ごとに短いメモを残すこと。長く書く必要はなくて、3行で十分だ。
- よかった判断を1つ
- 迷った判断を1つ
- 次に試したいことを1つ
この3行があるだけで、練習の記憶が言語として積み重なっていく。3日後の自分は3日前の試合の細部を覚えていないけれど、3行のメモを読み返すと、当時の感触がかなり正確に戻ってくる。ちなみに紙でもスマホのメモアプリでも構わない。続けやすいほうで試してみてほしい。
鏡その3: 対話 -- 自分以外の目線を借りる
最後の鏡は、誰かとの対話だ。フレンドでも、オンラインのコミュニティでも、対戦した後に「いまの試合どう思った?」と一言聞けるだけで、自分一人では気付けない視点が手に入る場合がある。
面白いことに、強い相手との対話だけが有益というわけでもない。自分と同じくらいの実力の人と話し合うと、相手の言葉の中に「自分もたぶん同じことで悩んでる」という共通項が見えてきて、それが結構な気づきになる。対話相手がいない場合は、YouTubeの解説動画を見て「もし自分があの解説をされたら、何が当てはまるか」と想像するだけでも似た効果が得られる。
3つの鏡を全部揃えなくていい
ここまで3つ挙げたけれど、全部を毎回やらなくていい。リプレイは週1回の負け試合だけ、メモは毎日3行、対話は月に数回、というくらいの頻度でも、フィードバックループとしては十分に回り始める。大事なのは、鏡を一枚でも常に持っておくことだ。鏡が一枚もない状態で練習を続けていると、自分の姿が見えないまま時間だけ流れていく状態になってしまう。
振り返りが苦しいと感じたら
最後に補足しておきたいのは、振り返りが精神的にきつく感じる日もあるという話だ。そういう日は無理に鏡を覗き込まなくていい。負け試合のリプレイを義務のように見続けると、ゲーム自体が嫌いになる入り口になってしまうこともある。休む日の判断も練習メニューの一部、というくらいの柔らかさで、自分のフィードバックループを組み立てていってほしい。
ゲームの「うまくなり方」を体系化するNEXTGG編集チーム。ジャンル別プレイヤーと共に、検証と実プレイを重ねた上達メソッドを届けている。