モチベーション曲線の波を読む
「あんなに楽しかったのに、最近なんでこんなにゲームが面倒くさく感じるんだろう」長くMMORPG(大規模多人数オンラインRPG)を続けていると、誰もがこの問いに出会う。先週は何時間でもログインしたかったのに、今週はログイン画面を開くのすら億劫。理由が分からないまま、気分の上下に振り回されていく。実は、この波はおかしな現象ではない。モチベーションには自然な波があり、それを理解しないまま走ろうとすると、波の下で急ブレーキを踏むことになりやすい。このSTEP4では、自分のモチベーションの波を読み、波を前提にした走り方に切り替えていく深掘りの話に踏み込んでいこう。
モチベーションは直線ではない -- 波として捉える
自分のやる気が、常に一定の高さで続くことを期待している人は、意外と多い。でも、実際のモチベーションは直線ではなく、波として動いている。
- 高まる時期 -- 新しいコンテンツ、新しい目標、新しい仲間との出会い
- 巡航する時期 -- 慣れと手応えの組み合わせで、安定して楽しめる時期
- 落ちる時期 -- 慣れが惰性に変わり、刺激が減り、疲れが見え始める時期
- 底に着く時期 -- ログインが億劫になり、他のことに興味が移る時期
- 回復する時期 -- 別のきっかけで、また手が伸びてくる時期
波があるから悪い、ではなく、波があるのが普通だ、という前提で自分の状態を見てあげることが出発点になる。
波の周期 -- 短期と長期の両方がある
モチベーションの波には、異なる長さの周期が混ざっている。
- 短期の波 -- 1日〜1週間。疲労や気分、日常の影響を受ける
- 中期の波 -- 1ヶ月〜数ヶ月。コンテンツの周回度合い、進行段階の変化
- 長期の波 -- 半年〜数年。ゲーム全体への飽き、他タイトルへの興味、生活の変化
これらが重なり合って、今の自分のモチベーションが作られている。「なぜか最近楽しくない」と感じたときに、短期と長期のどちらの波が来ているのかを見分ける視点があると、対処が変わってくる。
波の上で無理をしない
モチベーションが高まっている時期、プレイヤーはつい「このうちにできるだけ進めよう」と飛ばしがちだ。でも、波の上で飛ばしすぎると、落ちるときの速度も速くなる傾向がある。
- 連続プレイ時間を伸ばしすぎると、翌日の反動が大きくなる
- 目標を高く設定しすぎると、達成できなかった時の落ち込みが大きくなる
- 他人と競争しすぎると、競争が終わった瞬間に燃え尽きる
波の上で全力を出し切ろうとすると、結果として波の下で何もしたくなくなる期間が長くなりやすい。代わりに、波の上でも7〜8割の強度で止めておくと、落ちたときの谷が浅くなる。長期で見ると、平均値が上がる、という逆説が起きる。
波の下で、無理に上げようとしない
モチベーションが落ちている時期、多くの人は「なんとか上げよう」として別のコンテンツを試したり、新しい目標を立てたりする。これは場合によっては効くが、多くの場合は空回りする。
波の下は、休む時期だ。上げようと頑張るより、「今は下がっているんだな」と受け入れる姿勢が、結果として波を早く戻すことがある。
- ログインしない日を作る
- 進行を気にせず、ただ世界を歩き回る
- お気に入りの場所でぼーっとする
- ゲーム自体から一時的に離れる
これらは「何もしていない」ように見える。でも、実はモチベーションが回復する土壌を作っている時間だ。焦らないことそのものが回復の方法になる場合が多い。
他人の波と自分の波は別物
SNSやギルドチャットを見ていると、他人が楽しそうに遊んでいる姿が流れてくる。そんなとき、自分が波の下にいると、「自分だけ取り残されている」と感じやすい。
でも、他人の波と自分の波は別物だ。あの人が今波の上にいるからといって、自分も上にいる必要はない。あの人が下に沈んでいるとき、たまたま発信しないから見えないだけかもしれない。他人の楽しそうな瞬間と自分の退屈な瞬間を比べても、公平な比較にはならない。
燃え尽きの兆しを早めに捉える
モチベーションの下降が深刻なレベルまで進むと、燃え尽きと呼べる状態になる。この状態になると、ゲームの楽しさが感情レベルで消えてしまい、回復に長い時間がかかる。
燃え尽きの兆しを早めに捉えられると、そこまで至らずに済む場合が多い。
- ログインしても何をすればいいか思いつかない
- 以前楽しかったコンテンツに全く興味が湧かない
- ゲームの話題に反応できなくなる
- 仲間との会話が面倒に感じる
これらの兆しが複数出ているときは、休息を積極的に取るサインだ。無理してログインを続けると、燃え尽きが深まって、最終的には「もうこのゲームに戻れない」という地点まで行く場合がある。早めの休息は、長期プレイへの投資だ。
波の下を恐れない -- 戻ってくる前提で休む
波の下に沈むことを恐れると、沈むこと自体への抵抗で無駄な力を使ってしまう。逆に、「沈んでもいい、どうせ戻ってくる」という前提を持てると、沈みきる前に余計な抵抗をしないで済む。
波は戻る。たいていの場合、数週間から数ヶ月で自然に戻ってくる。戻ってこないとしたら、それは波ではなく卒業のタイミングかもしれない。その場合も、無理して引き止める必要はない。別のタイトル、別の趣味、別の時間の使い方に移ることも、立派な選択の一つだ。
自己診断 -- 波を読めているか
- 波の存在 -- モチベーションが直線でないことを受け入れたか
- 周期の区別 -- 短期/中期/長期の波を見分けられるか
- 上での抑制 -- 波の上で7〜8割に抑える発想を持てたか
- 下での休息 -- 無理に上げようとしない姿勢を持てたか
- 燃え尽きの兆し -- 早めに捉える目を持ったか
- 戻る前提 -- 休むことへの罪悪感から解放されたか
最初の一歩 -- 今の自分の波を一文で言葉にする
今日の一歩は、静かなものだ。今の自分のモチベーションがどの位置にいるか、一文で言葉にしてみる。正解はない。今の自分の肌感覚で十分だ。言葉にすると、漠然としていたモチベーションの状態が、少しだけ客観視できる。
長くゲームを楽しんでいる人の共通点は、モチベーションの波を直線に戻そうとしない、という点にある場合が多い。波があることを前提に、上では抑え、下では休み、そしてまた上がってくるのを待つ。その呼吸のリズムができた人は、長期プレイが苦しくない。
ゲームの「うまくなり方」を体系化するNEXTGG編集チーム。ジャンル別プレイヤーと共に、検証と実プレイを重ねた上達メソッドを届けている。