野良マッチで崩れないチームの最小構成
「味方運が悪かった」。マッチング画面で頭を抱えた経験は、非対称PvPをやっていると何度もある。ボイスチャットもなく、相手は見知らぬプレイヤー。連携の手がかりが何もない状況で、チームとして動くなんて無理に見える。でも、本当にそうだろうか。このSTEPでは、野良マッチという「事前の打ち合わせが一切できない状況」で、それでも崩れにくいチームを成立させるための最小構成を一緒に考えてみよう。
野良の連携は「会話」では始まらない
まず前提として、野良マッチでチームを機能させるためのスタート地点は、言葉のやり取りではない。ゲームによってはチャットやピンが使えるが、それらをフル活用する話はもう少しあとのSTEPで扱う。ここで扱いたいのは、もっと根本の、チームとしての最小の成立条件の方だ。
野良でチームが機能するかどうかを分けるのは、「お互いの動きから意図が読み取れる状態」にあるかどうかだ。会話がなくても、動きさえ明確なら、人間は相手の意図をかなりの精度で読み取れる。逆に、会話がいくらあっても動きが曖昧だと、意図は伝わらない。会話より先に、動きの明確さが来ると考えてみよう。
見ればわかる動きを発信するという発想
「動きが明確」と言われても、何から始めればいいか分かりにくいかもしれない。たとえば次の3つを心がけるだけで、味方から見た自分の動きは劇的に読みやすくなっていく。
- ためらわない移動 -- 目的地を決めたら、ジグザグに迷わない
- わかりやすい立ち位置 -- 中途半端な距離ではなく、近いか遠いかを明確にする
- 継続的な姿勢 -- 攻めている時間、守っている時間、どちらにしても短時間で切り替えすぎない
この3つに共通しているのは、どれも「自分の意図を、味方が予測しやすい形で見せる」ことだ。味方は超能力を持っていないので、自分が何をしたいかを動きから読み取るしかない。読み取れる形で動くだけで、野良の連携は成立し始める。
最小構成としての「1人称プラス1」
野良で最初に目指したいのは、完璧な4人連携ではなく、もっと小さな単位だ。「自分と、自分の近くにいる味方1人」の2人で成立する連携を最小構成と考えてみよう。
この発想の良いところは、味方全員と連携しようとしなくていい点にある。4人全員と噛み合わせようとすると、野良ではほぼ破綻する。でも、自分の近くにいる1人と噛み合わせるだけなら、野良でも十分に実現できる。
最小構成の作り方 -- 3ステップ
1人プラス1の連携を成立させるには、次の3ステップで十分だ。
- 近くの味方を1人決める -- ランダムでも構わない。自分の視界に入っている味方から選ぶ
- その味方の動きを30秒観察する -- 何をしたがっているか、どこに向かいたそうかを読む
- 自分の動きを少しだけ寄せる -- 完全に同じ動きをするのではなく、相手の動きを補う位置に立つ
たった30秒の観察と、少しの寄せ。それだけで、2人の動きは無言のまま噛み合い始める。この小さな噛み合いが、野良マッチにおける連携の最小単位になる。
野良の罠 -- 全員と連携しようとする
野良で崩れるパターンで一番多いのは、実は「誰とも連携しない」ではなく「全員と連携しようとする」方だ。4人全員の動きを同時に追いかけ、全員の意図を読み取ろうとすると、自分の中で情報が処理しきれなくなる。結果として、どの味方ともタイミングが合わない動きになってしまう。
最小構成の1人プラス1は、あえて対象を絞ることで情報量を適正化する発想でもある。1人に絞ることで、観察の精度が上がり、寄せる動きの質も上がる。野良での立ち回りが安定してくる人ほど、この「絞る」という判断を自然にやっている場合が多い。
成立しやすいペアと、しにくいペア
1人プラス1で最小構成を作るとき、すべての味方と同じように連携しやすいわけではない。ざっくりした目安として、次のタイプの味方とはペアが成立しやすい。
- 動きが一貫していて、同じ方向にしばらく動き続ける味方
- 極端なリスクを取らず、基本ラインから大きく外れない味方
- 自分が近づいたときに、こちらを認識してくれる(少し動きを変えてくれる)味方
逆に、動きが読みにくい味方や、単独で突っ込むタイプの味方は、ペアとして成立しにくい。この場合は無理にペアを組もうとせず、観察対象を別の味方に切り替える判断が必要になる。野良で大事なのは、味方を責めることではなく、連携しやすい相手を見つけて寄せる柔軟さだ。
チェック -- 直近の試合で誰を観察していたか
次の問いを、試合後に自分に投げかけてみよう。
- 直近の試合で、味方の誰か1人の動きを意図的に観察していただろうか
- その味方が何をしたがっていたか、言葉にできるだろうか
- 自分の動きを、その味方に少しでも寄せられた瞬間があっただろうか
- 寄せようとしたけれどうまくいかなかった場合、その理由は動きのどこにあっただろうか
問いに全部答える必要はない。観察しようとしたという事実そのものが、次の試合への材料になる。
このSTEPのまとめ -- 連携は観察から始まる
野良マッチのチームは、会話や作戦から始まるのではなく、観察から始まる。自分の動きを見ればわかる形に整え、近くの味方を1人だけ観察し、少しだけ動きを寄せる。これだけで、野良でも成立する最小の連携ができあがっていく。
次の試合では、開始30秒で「自分が観察する味方を1人決める」ことをやってみよう。決めただけで何かが変わるわけではないけれど、決めたという事実が、連携というテーマに自分を向き合わせてくれるはずだ。
ゲームの「うまくなり方」を体系化するNEXTGG編集チーム。ジャンル別プレイヤーと共に、検証と実プレイを重ねた上達メソッドを届けている。